就業規則届出の際には労働者代表の同意が必要?不要?
就業規則届出の際には労働者代表の同意が必要ですか?不要ですか?
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意見を聞く必要はありますが、同意は不要です
解説
労働基準法では、就業規則の作成・変更の手続きにおいて、
「使用者は、当該事業場に、過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聞かなければならない(労基法90条1項)」
と定められています。
また、就業規則の作成・変更を労働基準監督署へ届け出る際には、
この過半数労働組合または労働者代表の意見を記した書面を添付しなければならない(同条2項)
この届出に添付すべき意見を記した書面は、労働者を代表する者の署名又は記名押印のあるものでなければならない(労基則49条2項)
となっています。
お気づきでしょうか?
実は、どこにも労働者の同意を必要とする記載はないんですね。
あくまでも労働者の意見を求めるということで、労働者代表が単に意見を述べる権利に過ぎません。そして法律上は、会社と従業員との協議までも求めていません。
例えば、意見を聴取した場合、意見書に労働者代表が
「休日を増やしてほしい」
「休職期間をもっと長くしてほしい」
「賃金を高くしてほしい」
など記載しても、それに応じる義務は会社側にはありません。
まとめ
会社を経営していく上で、職場のルールは統一的・画一的に運用していかなければならないため、就業規則の制定については使用者側の一方的な制定権を認めていて、労働者からは単に意見を聞くという聴取で良いということですね。
とは言え、あまりにも意見が多く不満だらけであると労使間の信頼関係が築けていないということにもなるので注意が必要です。
結果として離職率が高くなったり、労使間の対立が起こったりすると人材の流出にも繋がります。
意見を聞いた結果、不満が多い場合は、良く意見を聞いて職場環境の改善に努めましょう。